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水源・水質

トピック第19回 水のにごり

水のにごり

 無色透明のきれいな水道水。
 でも、東京の水源は主に川の水で、濁っています。
 どのようにして濁りを取り除き、きれいな水道水を作っているのでしょう?

「にごり」の正体

 東京都の浄水場の水源は、主に川の水です。川の水は、程度の違いはありますが、濁っていることがほとんどです。
 川の濁りは、主に粘土成分です。また、金属や有機物が不溶性の粒子になったものや、プランクトンなどの微生物が濁りの原因になることもあります。
 濁り成分のうち、粒の大きいものはすぐに沈みますが、小さい濁り粒子はなかなか沈まず、いつまでも水の中を漂っているので、そのまま放っておいても透明な水になることはありません。このため、濁った水から透明な水道水を作るには、浄水処理が必要になります。

浄水場でにごりをとる

 浄水場では、水から濁り成分を除去するため、「凝集沈殿」および「砂ろ過」という処理を行っています。

凝集沈殿処理: 川から取水した水に凝集剤という薬を投入し、浮遊している濁り成分を集め、大きな粒にして沈めます。
砂ろ過処理: 凝集沈殿処理をした水のうち、上澄みのきれいな水を砂の層に通して、凝集沈殿処理でとりきれなかった細かい濁りを除去します。

凝集沈殿のしくみ

 東京都では、凝集沈殿処理を行う際、ポリ塩化アルミニウム(通称PAC:パック)という、高分子凝集剤を使用しています。PACがどのように作用して濁りを集めるかというと・・・

  1. 水の中の濁り成分は、通常マイナスの電気を帯びているため、互いに反発しあいながら水中に分散して漂っている。
  2. そこへPACを投入すると、プラスの電気を帯びたPACが濁り成分の表面に付着し、濁り成分のマイナス電荷を打ち消して電気的に中和する。
  3. 電気的に中和された濁り成分は、反発する力がなくなり、互いに寄り集まる。
イラスト
濁り成分はマイナスの電気を帯びているため、互いに反発しあって分散している。 凝集剤のPACにより電気的に中和され、反発力が無くなる。 反発力がなくなった濁り成分どうしが寄り集まって凝集する。
 このようにして凝集した濁り成分は、大きく重くなるために、水中に分散していられなくなり、ゆっくりと沈んでいきます。濁り成分が沈んだ後の上澄み水について、次の砂ろ過処理を行います。

解説図

砂ろ過のしくみ

 砂ろ過を行う砂層は、1mm未満の砂と数mmから数cmの砂利が数十cm〜1m程度の厚さに敷き詰められた構造をしています。この砂層の上から下へ水を通すことにより、凝集沈殿でとりきれなかったこまかい濁りを除去します。
 ただし、除去しようとしている濁りの大きさに比べ、砂粒と砂粒の隙間はかなり大きいため、砂粒の隙間で濁りをこしとるのではなく、濁りが砂粒の表面にくっつくことにより除去されます。

砂ろ過処理のイメージ(濁り成分は、ろ過砂の隙間でこしとられるのではなく、ろ過砂の表面に吸着することで除去される)

台風襲来時のにごり

 台風がもたらす豪雨により川が増水すると、川の濁度も大幅に上昇します。通常、晴天時の利根川や荒川の濁度は5度前後ですが、台風による豪雨時には、最高で数千度に達する場合もあります。
 近年では、平成19年9月に関東地方を直撃した台風9号により、江戸川から取水している金町浄水場で、最高2600度を記録しました(最近5年間での最高値)。

※濁度:濁りを表す尺度。水1リットル中に、濁度の標準物質を1ミリグラム含むときの濁りを濁度1度とする。

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