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水源・水質

トピック第23回 浄水処理による放射性物質の除去

浄水処理による放射性物質の除去

 平成23 年3 月11 日の東日本大震災は、東北地方を中心とする太平洋岸の地域に甚大な被害を及ぼし、被災した福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」)からは、大気中に大量の放射性物質が放出されました。放出された放射性物質は、降雨とともに河川に流入し、河川を水源とする浄水場では、放射性物質の影響が見られました。
 今回は浄水場で行われている浄水処理による、放射性物質除去の仕組みについてご紹介します。

1 環境中での放射性物質の挙動

 大気中に放出された放射性物質は、風によって大気中を拡散、移動し、地層表面へ降下するとともに、事故発生から10 日間程度の期間内に降った雨により、大量に地表に降下し、雨水と一緒に河川に流出しました。浄水場では、河川等から水道水の原料となる水を取水しているため、河川に流入した放射性物質による影響を受けました。

 水道局では、これらの放射性物質の除去方法を検討し、効果的な浄水処理を行ってきました。今回は、浄水場における放射性物質除去の仕組みについてご紹介します。

図1 環境中の放射性ヨウ素、放射性セシウムの挙動

2 放射性ヨウ素の除去

 ヨウ素は河川水中で様々なイオンの形で存在しますが、イオンの形態のままでは、一般的な凝集沈でん処理や粉末活性炭処理では除去できません。

 しかし、ヨウ素は消毒用の塩素と接触することで形態が変化し、粉末活性炭によって除去されやすくなるため、粉末活性炭処理を行う前に適切な塩素処理をすることで、ヨウ素を効果的に除去することができます。水道局ではこの方法により放射性ヨウ素の除去に努めました。

図2 粉末活性炭による放射性ヨウ素の吸着イメージ

3 放射性セシウムの除去

 セシウムは河川水中では粒子またはイオンの形態で存在します。ただし、セシウムイオンはプラスの電荷を帯びているため、マイナスの電荷を帯びた土壌の表面に吸着されやすく、水に溶け出しにくいという性質があります。

 このため、土壌表面に付着したセシウムが、降雨により濁質とともに河川水中に流出した場合も、濁質に吸着されていることから、浄水場での処理工程の一つである凝集沈でん処理により、濁質と一緒に比較的容易に除去することができます(図3)。

図3 凝集沈でん処理による放射性セシウムの除去イメージ

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