ページの先頭です

水源・水質

トピック第25回 浄水処理によるホルムアルデヒド等の処理

 平成24年5月に発生した利根川水系のホルムアルデヒドに関する水質事故は、水系の浄水場に近年にない大きな影響を与えました。一部の浄水場において、取水・給水停止等の措置が取られましたが、高度浄水処理を導入している浄水場では、問題のない水道水を送ることができました。

 そこで、今回は高度浄水処理によるホルムアルデヒド等の処理についてご紹介します。

1 事故の概要

 今回の事故の原因となった物質は、塩素と反応してホルムアルデヒドを生成するヘキサメチレンテトラミン(以下、「HMT」という。)という化学物質でした。HMTはプラスチックやゴム製造時の硬化剤や、医薬品の原料として使用される化学物質です。日本をはじめ、世界保健機関(WHO)や欧米等においても飲料水のガイドライン値等は示されていません。

 今回の事故では、HMTを含む廃液が十分に処理されずに河川に排出され、浄水場で取り入れられた後に、消毒のために注入している塩素と反応してホルムアルデヒドが生成したものです(図1)。

図1 ホルムアルデヒドと原因物質

2 高度浄水処理とは

 浄水場では、河川等から取り入れた水を処理して、安全・安心な水道水を作っています。浄水場の基本的な処理は凝集沈でん・ろ過処理ですが、東京都水道局ではより安全でおいしい水を作るために、利根川・荒川水系の浄水場へ高度浄水処理の導入を進めています。

 東京都水道局の高度浄水処理は、凝集沈でんとろ過の間に、オゾン処理と生物活性炭処理(以下、「BAC処理」という。)を組み込んでおり(図2)、かび臭原因物質やアンモニア態窒素の処理に大きな効果があります。

図2 高度浄水処理の流れ

3 高度浄水処理による処理

 高度浄水処理によるホルムアルデヒド等の処理性を調べるために、小規模のプラントを用いて実験を行いました。

 その結果、HMTはオゾン処理で90%程度、BAC処理で75%程度、オゾン+BAC処理で100%処理できました。一方、ホルムアルデヒドはオゾン処理では分解されませんが、BAC処理でほぼ100%処理できることが確認されました(図3)。

図3 高度浄水処理による処理性

 このように、原水中に含まれるHMTはオゾン+BAC処理で100%処理され、その後に消毒のための塩素を添加しても、ホルムアルデヒドは生成しません(図4)。また、原水中にホルムアルデヒド自体が含まれている場合も、BAC処理で100%処理できます。

図4 高度浄水処理によるHMT処理の流れ
ページの終わりです
ページの先頭へ戻る